「Piece」

OECDxWasedaUによる、インタビュー連載

【Vol.2】早稲田大学政治経済学部 吉永恵

「好きな事×やりたい事=アラビア女性のファッションショー」

中国出身、13歳の時に来日。早稲田大学政治経済学部4年に在学。在学中、北京大学に一年間留学。日本青年国際交流機構(IYEO)でのドミニカ共和国派遣、G20 Youth Summits 日本代表。自身の国際活動の集大成として、アラブの女性をテーマにしたファッションショーを主催した。

f:id:OECDxWasedaU:20140515233833j:plain

 

Q. 様々な国際活動を行われていますが、国際に関心を持ったきっかけは何ですか?

吉永さん:一番最初は日本に来た中学2年時、言葉もうまく話せず、いじめを受けた事がきっかけです。最初は日本人になじめず、言葉の壁、文化の違いを感じました。私だけでなく、他に異なる文化や言語の壁で苦しむ人を助けたいと思ったのがきっかけです。

 

Q. ダブルディグリープログラムで1年間北京大学に行かれたようですが、北京大に行かれたきっかけと、感じた事をお聞かせ下さい。

きっかけは、自分のルーツ探しがしたかったからです。まさに北京大学への留学プログラムがあるのが早稲田大学だけなので、早稲田に入学しました。もう一度祖国がどのような国で、私がどのようなルーツを持っているか確認したかった。なので、北京大学在学時も多くの時間を中国での旅二使いました。また、日中関係の溝も肌で実感し、アジア団結して欲しいと思いました。それを実現するためには、アジアの外に1回出てみなければならないと思っています。

 

Q. 将来の夢はなんですか?

国際協力ができる学校を作る事です。きっかけは、国際交流して限界を感じるようになったことです。どの国際活動も短期的に終わってしまう。北京大学に留学した時も、留学生の中には、中国人の異文化を受け入れず、異質のものを見るだけで終わる人もいました。もっと早い段階から、国際の文化の壁を取り除くための教育の場を作りたいです。

 

Q. なぜアラビアのファッションショーを企画したかったのですか?

中東学生会議やムスリムの友人がいた事もあり、長い期間中東にいました。イスラムの女性に感銘を受けた事がきっかけです。イスラム教は女性がスカーフで顔や姿を隠します。ムスリムでは目だけしか出さず、スーパーでは、よく子供が自分の母親を分別できなくなり、迷子になります。最初、そういった文化は不思議でした。しかし、ムスリムで、20歳の女の子の家にホームステイして見解が変わりました。ある日その女の子にベールを脱いでもらいました。「あまりにも美しい。」、こんなに美しいのに皆が隠している。その文化の奥に深い意味があると感じました。コーランの話を聞き、ムスリムや中東に対して、怖いイメージを持っていた自分を情けなく思いました。とは言え、中東に対して、「テロリスト」等、マイナスのイメージを持っている人も多いと思います。そのような先入観を壊し、美しいものを使って文化交流したいと思った事がきっかけです。

 

Q. ファッションショーの企画で大変だった事はありますか?

全部手探りなのが大変でした。協賛を取る事、会場を取る事、協力を得る人に理解してもらう事。普段はストレスや失敗も糧にするタイプなのですが、1回目のアラビアファッションショーでは、会場が開催の10日前まで決まらず、大変でした。

 

Q. 興味のあることは何ですか?

女性の美しさを追究する事です。ファッションビジネスにも興味を持っています。元々美術が好きで、3歳の時に初めて人形に服をデザインしました。しかし、勉強重視の中国なので、祖母に見せたら怒られました。その後も美術は学校でトップで、何かできないかなと思っていました。日本に来て、高校の親友がファッション好きで、一緒に小さなファッションショーをやったりしました。なので、アラビア女性のファッションショーは、私の国際交流の経験と、好きな事を合わせた、集大成でもあります。 「私の好きな事(女性の美しさ)×やりたいこと(国際交流)=アラビアの女性ファッションショー」だと思っています。

 

Q. 今後の目標を教えてください。

まずは、4月にある大使館でのアラビアファッションショーを成功させる事です。ここまで好きな事をこの規模で出来るのも日本にいるからです。その事に感謝し、頑張ります。その後は、アジアの外に出て、アジアに貢献できるよう、大学院の準備をしっかりやりたいと思います。