「Piece」

OECDxWasedaUによる、インタビュー連載

【Vol.4】外務省 総合外交政策局 国連企画調整課長 関口 昇

「『日本を良くする』に携わる」

早稲田大学政治経済学部卒業後、平成3年 外務省入省。在英国大使館、在マレーシア大使館、総理大臣官邸内閣官房副長官秘書官等を経て、現在に至る。

f:id:OECDxWasedaU:20140515234845j:plain

 

Q. 国家公務員の中で、なぜ外務省を目指されたのですか?

関口氏:外務省を選んだ理由は、3つあります。1つ目は、外国に対する懐かしさや憧れです。2歳半ばまで、アメリカに住んでいたため、自宅には、アメリカの製品がたくさんありました。そのような環境で育ち、アメリカに対する懐かしさ、また、外国に対して漠然とした憧れを持っていました。 2つ目は、外務公務員試験を1つの目標にしたことです。当時、政経学部生は全体の3割しかゼミに入れず、私もゼミの枠から漏れてしまいました。そこで,何か勉強しなければと思い、当時難関ということで「外務公務員試験」合格を1つの目標にしました。 3つ目は、3年生の夏に5週間アメリカへ語学留学に行き、外国人と議論し、何かを考えていくことの楽しさを知ったからです。

 

Q. 英国の日本大使館で働いていらっしゃった時のお仕事内容をお聞かせ下さい。

当時、広報文化センター次長として,広報文化を担当していました。日本のことを英国に知ってもらうこと、日本文化を英国に紹介することが主な仕事でした。その中で日英のマスコミの方々とも仕事で関わりました。広報は、マスコミの方々と協力することで情報を発信する力が大きくなります。当時広報文化業務を通じて学んだことは今でも役に立っています。

 

Q. 当時、印象に残ったエピソードはありますか?

ちょうど渡英して2年目の時に、G8サミットが英国で開催されました。当時私の所属していた広報文化センターでは、日本から来るマスコミや要人の方々が取材を行えるよう受け入れ準備をしていました。しかし、G8サミットの直前にロンドンオリンピックが決まり、ロンドンで地下鉄テロが起こったことで、ロンドンを去るマスコミの方々も多い中、残ったマスコミの方々にどう伝えるか、その方法を考えるのに頭をひねりました。

また、広報の仕事では、「受け手」が何を考えているかを理解することも大切です。英国の広告代理店と共に、日本に対する世論調査を行いました。英国における、日本の広報文化外交の基礎作りに貢献できたと思います。

 

Q. 実際に世論調査を実施した中で、英国における日本の印象は、どういったものでしたか。

若者の間で日本のポップカルチャーに対する人気を感じました。従来の「侍」や「相撲」といったイメージに代わり、ポップカルチャーをきっかけに、英国の若者が日本語を積極的に学ぼうとする意欲が見受けられました。ポップカルチャーといった新たな側面からの日本への関心の高まりを感じました。

 

Q. これまでの勤務の中で,どんな時にやりがいを感じましたか。

今のポスト(国連企画調整課長)に就いた後、昨年9月に、国会総会における安倍総理の一般討論演説の「骨子」を考えるのが私の役割でした。最初に書かれた内容が,最終的な演説の原形となります。国連の会議といった大きな舞台で、当時首相が女性の社会参画を訴えたことにより、外交と国内政策が共鳴し、その動きが大きくなっていくことを目の当たりにしたのは印象的でした。 このように、「日本のために」「日本が良くなっていく」ことに常に携わり、日本の政策に自分の考えが反映されていくことは大きなやりがいです。

 

Q. 最後に、早稲田大学の学生にメッセージをお願いします。

「世界は広い。世の中には課題が山積している。早稲田生であれば、困難を乗り越える力があると思います。自分を信じて、世の中に貢献できる人材になってください!」